減感作療法(げんかんさりょうほう)、別名アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因である「アレルゲン」を体内へ注射によって投与を行い、最終的にはそのアレルゲンに対する過剰反応を発生させないようにする事を目指す根本的な治療方法です。

私達花粉症患者にとっては、スギ花粉やヒノキ花粉がアレルゲンです。よって杉や檜のエキスを少量・低濃度から注射で体内に取り込み徐々に濃度を上げていき、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎の症状を和らげる事を目的とします。

治療期間は2~5年が一般的とされていて、その期間の長さゆえに途中で放棄してしまうリスクがありますが、ステロイド注射等と違い副作用が基本的に無いという安全かつ根治を目指せるという事で、花粉症患者にとっては最後の望みといえるこの根本療法のシステムや費用について紹介します。

減感作療法で注射するエキスの濃度・量・回数

減感作療法のシステムとしては

  1. まずは、少量・低濃度の治療用アレルゲンエキスを注射する
  2. 濃度はそのままで量を少しずつ増やしていく
  3. 注射する量が一定に達したら、今度は濃度を上げ、逆に量は少量に戻す。
  4. 2を行う

を繰り返すのです。
具体的なスタートの注射量と、増やす濃度については下記のようになります。

  1. 極めて低いアレルゲン濃度のエキスを
    0.02ml、0.03ml、0.05ml、0.07ml、0.1ml … といった感じに、徐々に注射量を増やす。
    病院や患者の状態にもよるが、6~10段階で増やしていき、最終的な投与量は、0.3~0.5mlとなる。
    これが1クール目となる。
  2. 次はアレルゲン濃度を10倍に増やし、同様に
    0.02ml、0.03ml、0.05ml、0.07ml、0.1ml …。
    これが2クール目となる。
  3. さらにアレルゲン濃度を10倍(初期の100倍)に増やし、同様に注射量も少量から大量へと増やしていく。
    これが3クール目となる。
  4. 概ね4~5クールをもって、これ以上濃度も量も上げない最終的な「維持量」に達する。
    5クールの場合は「初期の10000万倍の濃度」で「0.3~0.5ml程度」が維持量となる。

5クールの場合は (6~10)×5=「30~50回」が、維持量に達するまでの通院回数となります。
維持量に達するまでは、週に1~2回の通院が必要になります。

維持量到達後は大幅に頻度を下げられる

維持量に達するまでは、小まめな通院が必要となります。
週に2回のペースで注射が行えたとしても、合計30~50回必要なので15~25週となり、4~6ヶ月程度かかるのです。
週に1回だとその倍です。

ただし維持量にまで達せば、その濃度・量でしばらくの間週に1度の注射を行い、さらには月に1度まで頻度を下げられるのです。
そこまで行けば月に1度ですので、気分的にも非常に楽になります。

根本治療にかかる期間は人によって差はありますが、だいたい2~5年程度です。

気になるお値段ですが、健康保険を使用すれば1回の注射で約500円程度です。
トータルでは約2~5万円にもなりますが長い期間をかけて支払うので、あまり金額がかかったという印象にはならないかと思います。

また、1回の通院で複数のアレルゲンを注射する事も可能でして、例えばスギ花粉とハウスダストとブタクサの3種類のアレルゲンを投与する事ができます。
多くの花粉症患者には複数のアレルゲンがあるはずですので、この方法を使えば非常に効率的なのです。
3種類のアレルゲンを注射する場合は1回で1000円弱程度となり、少しお得なのです。

副作用が極めて出ない安全な療法

減感作療法は、普段私達が浴びているアレルゲンと同様のエキスを取り込むわけですから、普段の生活と違う副作用が発生する事は基本的にはありません。
もしそうだとしたら、花粉症患者は日々副作用ばかり発生しているわけですから。

ただしアレルゲンを注射するわけなので、アナフィラキシー反応が出る場合も考えられます。
突然の動機、めまい、全身のかゆみ、じんましんや、酷い場合は呼吸困難が発生する可能性がなきにしもあらずなのです。

そのため、注射後15分間はそのまま病院にいるように指示されるはずです。

普段の花粉が減感作療法にならない理由

花粉症患者は普段花粉を浴びているわけですから、それが減感作療法にならないのかという疑問が、ふと頭をよぎるかもしれません。

しかし普段飛んでいる花粉だとアレルゲンが多すぎて、過剰反応するに十分過ぎるのです。
減感作療法だとスタートは非常に低濃度で0.02mlといったように、ほんの少しのアレルゲンエキスの注射から開始となります。

それゆえ免疫システムが「これはアレルゲンなのかな?」と、ある意味勘違いして反応を起こさないのです。
その反応を起こさない状態を当たり前にするのです。
そして次には量もしくは濃度を増やすのですが、以前より当たり前の状態が変わっている(増えている)わけですから同様に「これはアレルゲン?」と勘違いするのです。

免疫システムの過剰反応については
花粉症対策・予防に森永ビヒダスヨーグルトがおすすめな理由!
にて紹介してあります。
ヨーグルトでも花粉症を根本治療できる可能性がありますので、是非ご覧くださいませ。