つらい花粉症ですが注射で症状をかなり楽にする事ができます。
しかも保険適用治療なので、自己負担も3割ですみます。

注射の種類にも何種類かありますが、ここでは比較的副作用が少なくて値段も安く、花粉症飛散開始時期の直前から治療を開始すれば間に合う「ヒスタグロビン注射」を紹介します。
具体的な治療開始時期はいつからかというと、おおむね3週間前です。

もちろん花粉が飛び始める時期に間に合わず、花粉症の症状が出始めてから治療を開始しても大丈夫です。

花粉症の根本的治療と言われる減感作療法と、今回紹介するヒスタグロビン注射を比較して、後者がおすすめな理由を説明致します。

減感作療法で根本治療が難しい理由

花粉症対策注射で根本的治療となるのは減感作療法(げんかんさりょうほう)という方法です。
スギ等のアレルゲンを毎週注射で体の中に取り込み、徐々にアレルゲン物質の濃度を上げつつ頻度を落とし、最終的にアレルギー反応が出ないようにするというものなのです。

ただし

  • 週に1度から月に1度程度の注射を数年に渡って行う必要がある。
  • 途中でサボったり中断したりすると、また最初からやり直しとなる
  • 効果があるのは注入したアレルゲン(例・スギ)のみ

と、多大な労力が必要なうえに、効果があるのはそのアレルゲンのみなのです。
また、花粉症患者というものは何種類もの花粉に反応するので、全ての花粉に対して減感作療法を行うのは実質不可能でしょう。

そこで冒頭で話したヒスタグロビン注射が、非常にお手軽で有効な対処法となるのです。

ヒスタグロビン注射が効果がある理由

アレルギー反応を起こす物質は人それぞれですが、メカニズムは皆同じです。
アレルギー反応を起こす過程において重要な要素が「ヒスタミン」と呼ばれるものです。

鼻や目といった花粉症患者が悩まされる部位から花粉が体内入ると、免疫細胞がその花粉を異種外敵と勘違いして過剰に反応します。
この状態になると肥満細胞からヒスタミンという化学物質が放出されて知覚神経に働きかけます。

その結果、鼻の中の血管が広がります。血管が広がれば浮腫みが発生して空気の流れが悪くり、鼻づまりが発生してしまいます。
また、鼻水を分泌する腺が刺激されたり、血管から水分が漏れたりして、鼻水となります。
さらにくしゃみ中枢が刺激されてくしゃみが発生するのです。

ヒスタグロビン注射を打つことによって、こういったヒスタミンの働きを抑える事ができるのです。
長所としては

  • 前述の減感作療法だと特定のアレルゲンのみに対する効果だが、ヒスタグロビン注射は免疫システム自体に作用するので全種類のアレルゲンに効果がある。
  • 効果は比較的穏やかで体への負担や副作用が少ない。
  • 通院回数が少なくて済む

デメリットとしては

  • 症状が一時的に悪化するケースがある
  • 頭痛・眠気・じんましんという副作用がまれに起こる時がある

が挙げられます。

ヒスタグロビン注射の時期や値段

このようにメリットが多いヒスタグロビン注射はどこで処方してもらえるかというと、普通の内科です。
料金や通院回数についてまとめると、下記表のようになります。

通院回数 週に1~2回の頻度で、合計6~8回程度
1回の治療に要する時間 注射のみなので、数分
1回当たりの費用 保険適用後で、1000~1500円程度
治療完了後の効果持続期間 3~4ヶ月

と、忙しい方でも途中で心が折れずに十分に治療を完了させる事ができると思います。

週に2回注射して合計6回と考えれば、花粉飛散時期3週間前から始めても遅くないという事です。
病院に通うのがおっくうと感じ、ついつい通院を先延ばしにしてしまいがちな人でも、花粉シーズン直前に駆け込めば大丈夫という事です。

もちろん飛散開始時期を逃して、いよいよ症状がつらくなってからでも効果はあるので心配無用です。

ヒスタグロビンは安全

ヒスタグロビン注射で打つヒスタグロビンが、体への負担や副作用が少ない理由としては、化学合成されたものではないという事が挙げられます。
製造方法は、国内で献血でされた健康な人の血漿を原料としています。
正式名称を「ヒスタミン加人免疫グロブリン」という、ヒト由来の血液製剤なのです。

このように化学合成されていないという事で、逆に血液感染の心配を考えてしまいますが、抽出過程において何度もエタノール処理を施してウイルスを殺しているので感染の心配はないのです。

何年もかけて減感作療法を行うのは時間的にとても厳しいという人でも、花粉症時期の直前だけなら何とか病院に行く事ができるのではないでしょうか。