花粉症の症状を抑える最も簡単な対策方法は薬を飲む事ですが、面倒だし時間もかかるので、できれば耳鼻科に行くのは避けたいというのが心情でしょう。
よって医者が患者一人一人に合わせて処方する処方薬ではなく、市販薬を購入する事が頭に浮かびます。

でも薬局やドラッグストアには数多くの種類の鼻炎薬が並んでおり、それらを全て試すとなると何年もの歳月が必要になります。
というわけでよく効く薬のランキングを参考をするということが非常に有効な手段となるのですが、一般の人が選んだランキングよりもプロの意見の方がはるかに説得力がるというものです。

花粉症の症状を持つ、合計800人以上もの医師に、実際に服用している抗ヒスタミン薬を聞いたアンケート結果がありますので、紹介します。

2014年に行われたアンケート内容

日経メディカルが、オンライン会員医師を対象に、2014年2月17日~23日の間にオンラインアンケートを行いました。
内容は「自分自身の花粉症対策としてどのような種類の薬を飲んでいて、効果はどうなのか」というものです。

有効回答数は1951人で、内訳は

  • 花粉症持ちが1067人
  • その内、例年薬を飲んでいるのが810人

となり、表にすると下記のようになります。

薬服用の有無 人数(上段)及び割合(下段)
今年は既に服用している 364
18.7%
810
41.5%
1067
54.7%
1951
100%
今年はまだ服用していない 446
22.9%
例年服用していない 257
13.2%
花粉症ではない 884
45.3%

この回答だけ見ると花粉症の割合が54.7%と半分を超えていて、一般的に発表されている「国民の3割程度が花粉症」という数字よりも随分多く、これが現実の数字なのでしょうか。
実際私達の周りの花粉症患者の数を見てに、3割どころではないというのが実感ですし。
ただし花粉症でない医師は、そもそもアンケートに回答さえしない可能性があるという事の考慮も必要かなとは思われますが。

なにはともあれ、これで医者という薬に関してプロフェッショナルな方々の貴重なデータが810人分も得られたわけなのです。

ランキング1位はザイザルではなくアレグラ

アンケートでは16種類の抗ヒスタミン薬の中から選択してもらうというかたちが取られました。
前述の810人が、2014年2月時点で飲んでいる、もしくは花粉の飛散量が多くなったら飲もうかと考えている薬のランキングは下記のようになりました。

順位 抗ヒスタミン薬名 主な製品名 割合
1 フェキソフェナジン アレグラ 27.0%
2 レボセチリジン ザイザル 14.6%
3 オロパタジン アレロック 13.0%
4 エピナスチン アレジオン 11.1%
5 ロラタジン クラリチン 10.6%
6 ベポタスチン タリオン 7.4%
その他 16.3%

2位のレボセチリジン(製品名ザイザル)に大差を付けて、フェキソフェナジン(アレグラ)が見事1位となったのです。

2010年12月10日に、8年ぶりの新たな抗アレルギー薬として販売が開始され、現在高い人気を誇るのが「ザイザル」です。
基本的に新しい技術の方が優れているのが世の常でして、医者の方なら最新のザイザルをチョイスするかと思いきや、決してそうではなかったのでした。

目的別ランキング

前述のランキングは、実は複数のアンケート結果を合計したものです。
アンケートでは

  1. 抗ヒスタミン薬には眠気が少ない事を重視
  2. 抗ヒスタミン薬には効果が高い事を重視

といった具体に、まず主な目的に対する複数の選択肢があるのです。

眠気対策重視のランキング

その中から1番(眠気が少ない事)を選んだ313人に対して、服用(及び予定)の抗ヒスタミン薬を聞いた結果は次のようになります。

順位 抗ヒスタミン薬名 主な製品名 割合
1 フェキソフェナジン アレグラ 36.7%
2 ロラタジン クラリチン 14.1%
3 レボセチリジン ザイザル 11.8%
4 エピナスチン アレジオン 11.5%
5 ベポタスチン タリオン 9.3%
6 オロパタジン アレロック 7.3%
その他 9.3%

主な目的が眠気対策という医師は、アレグラをチョイスする傾向が非常に高いという事が伺えます。

効果の強さのランキング

そして2番(効果の強さ)を選んだ407人に対しても同様に、服用(及び予定)の抗ヒスタミン薬を聞いた結果は次のようになります。

順位 抗ヒスタミン薬名 主な製品名 割合
1 フェキソフェナジン アレグラ 22.1%
2 オロパタジン アレロック 17.7%
3 レボセチリジン ザイザル 17.4%
4 エピナスチン アレジオン 8.8%
5 ロラタジン クラリチン 7.6%
6 ベポタスチン タリオン 6.4%
その他 19.8%

このように純粋な効果を求めるとなると、ザイザルやアレロックがアレグラに肉薄するようになります。

眠気が無い事に重きを置くグループと、効果の高さを重視するグループの値を合計したのが、最初に示したランキングとなるのです。

ランキングを視覚化

上記3つのアンケート結果を棒グラフにすると、下記のようになります。
上段が眠気の少なさ重視、中段が効果重視、下段が合計となります。

眠気の少なさで選ぶと
アレグラ ザイザル アレロック アレジオン クラリチン タリオン その他
効果の高さで選ぶと
アレグラ ザイザル アレロック アレジオン クラリチン タリオン その他
合計
アレグラ ザイザル アレロック アレジオン クラリチン タリオン その他

このように、プロの方が選ぶ種類の傾向が判明した事で、市販薬を購入する時の指針となるのではないでしょうか。

アレグラには眠気に関する注意事項が無い

効果が高いのに眠気が発生しづらいアレグラですが、それには科学的な理由があります。

そもそもアレグラに含まれるフェキソフェナジンは、第二世代の抗ヒスタミン薬なのです。
第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代抗ヒスタミン薬と比べて、余計な作用や副作用が起こりづらいのです。

それに加えて、アレグラは成分が脳に届きにくいという特性が他の抗ヒスタミン薬に比べてダントツに高いのです。

抗アレルギー薬は、アレルギー反応の元となるヒスタミンの発生を抑える事によって、効果を発揮します。
しかしヒスタミンは脳にも存在するので、薬の成分が脳に届くと脳のヒスタミンまでブロックしてしまうのです。
脳のヒスタミンは集中力や覚醒に大きく関係しているので、これが原因で眠くなるのです。

アレグラは薬の成分の内、脳に達する割合がわずか3%なのです。
他の第2世代の抗ヒスタミン薬が7%以上という事を考えると、突出しています。
ちなみに第1世代の中には50%の物も存在するのです。

アレグラといえど3%は到達するという事で、わずかながら眠気は発生するのですが、ほとんど無視できる範囲なのでアレグラの使用説明書には車の運転等に対する注意事項が無いのです。

私もそんなアレグラを愛用していた時期があるのですが、薬局やドラッグストアで購入する時に薬剤師による説明が必須でして、その行為だけでまるで処方薬のような効果の高さを期待させるものがあるのです。